大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

東京地方裁判所 昭和41年(ワ)8022号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

〔判決理由〕そこで、本件保険料債務が取立債務かどうかの点について判断すると、原告が、本件生命保険契約締結の際、被告会社の勧誘員である訴外倉島直人から受け取つた「保険料領収書に保険料は毎月会社から集金にお伺いしたときにお払い込み下さい。」との記載があり、原告が、前叙昭和三九年六月分ないし昭和四〇年八月分の保険料合計金四五〇、〇〇〇円をいずれも原告の住所において、被告の集金員である宮本愛子らの取立に応じてそれぞれ支払つている事実については、いずれも当事者間に争いがなく、被告主張のとおり本件特約には保険料債務を持参債務と定めてあり、これが金銭債務として原則的には持参債務の性質を有すべきものであつても、我が国生命保険業界の慣行としては、保険者において、保険契約者の保険料の持参を待たずに、集金員を派遣して契約者から保険料を徴集する実状にあることは経験上明らかなところであり、さきに争いのない事実として認定した前叙の如き本件事実関係のもとにあつては、被告は、本件保険料債務が金銭債務として持参債務であるとの原則を原告に対して主張しえないものというべく、本件保険料債務は取立債務と解するのが相当である。(関口文吉)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!